江戸初期の改暦

天地明察」 上・下   冲方 丁(うぶかた とう)   角川文庫
天地明察(上) (角川文庫) 天地明察(下) (角川文庫)
天体の運行と暦のズレをどうするか、唐物崇拝と利権にどう打ち勝つか。しばらく前、韓流時代劇で、支配者中国に内密で天文観測をしたり、もっと古くは、その大陸の暦を手に入れること自体が半島支配の基盤のような所があった場面を見た。度量衡と暦は権力の証であり、江戸幕府が磐石となった四代家綱の頃、必然的に暦事件が起こった、らしい。江戸初期に数学、天文の知識人がこのようにたくさん存在したとは、知らなかった。伊能忠敬の百年以上前、観測のために日本全土の沿岸をチームを組んで旅した人達の情熱、人品、能力、天晴れ。


また、酒井雅樂頭忠清、保科正之水戸光圀などの、ユニークな人物描写が面白かった。保科正之については、以前、「名君の碑-保科正之の生涯」 中村彰彦 名君の碑―保科正之の生涯 (文春文庫) を読んだ。優れた為政者でありながら、継室による一大事件を防げなかった所が人間的。お陰で、会津に物凄い家訓と男尊女卑が残った。


で、水戸光圀について、“知られていない実像に迫る” ということなので、ウブカタさんの次なる本も、げっと。 しか〜し、冗談としか思えない厚さ約3.7cm、重さ800g、全751頁の存在の前に、もう腱鞘炎になった気分。上下に分冊すると、下巻を購入しない可能性があると自信を無くしたのであろうか?“明察”?
伸るか反るか(乗るではないのですね)の勝負本!?は、こちら:
光圀伝  「光圀伝」  冲方 丁(うぶかた とう)  角川書店



★ 「伸るか反るか」  語源由来語辞典より ★
       http://gogen-allguide.com/no/norukasoruka.html
【意味】
成功するか失敗するか、結果はわからないが、運を天に任せて思いきりするときに使う言葉。主に勝負に出る時に用いる。「乗るか反るか」は間違い。

【語源・由来】 伸るか反るかの「のる」は、長く伸びる、真直ぐ伸びる意味で、「反る」は、後ろに曲がること。語源は、矢師の矢作りに由来する。
矢師が矢を作る時、竹の曲がりを直す「のため型」と呼ばれる物に入れ、竹を乾燥させる。 そこから取り出した竹が、真直ぐにのびていれば矢として使えるが、少しでも曲がっていれば使い物にならず、捨てなければならなかった。 矢師が「のるかそるか(真っ直ぐに伸びるか曲がるか)」と成否を気にしながら竹を取り出したことから、「伸るか反るか」と言われるようになった。
また、物を賭けて勝負を決めることを「賭る(のる)」と言うことから、勝負的な意味合いが強まったともいわれる。