最近の国立能楽堂のロビー(自称・寝殿造りの広縁)の書店、既に持っている本が多く、読みたいものが無くなってしまった。
4月13日(土)普及公演(狂言「人を馬」 能「自然居士」)の時に檜書店にて、まだ白洲正子なの…とぱらぱらとチラ見、“周辺エッセー”のような感じであったので、それもいいかもと頂きました。帯に曰く、『白洲正子生誕100年 文筆家白洲正子は、これらの作品から歩み始めた。白洲正子の出発点を知る恰好の書。』
『生誕』ですよ、すごーい。社会構造が変ったので、やはりもう不出生の偉人かも。
「美の遍歴」 白洲正子 平凡社ライブラリー(文庫本)
目次: 美の遍歴 能の風景 野の香り 無言の言葉 京の女
面白かった。目次の細目が魅力的。短文の蓄積。今生の一代でとても経験できる量ではない著作の、『出発点』『初期の作品』。どの本もがそれぞれ肩に纏っている、風合のよい、しかし案外もっさりした生地のヒレ(領巾)がこれ!という感じ。