三浦しをん 三題

「風が強く吹いている」「仏果を得ず」「神去なあなあ日常」 が面白かったので、更に、読破! これらの本は、若年の登場人物が楽しくないタイプには、向かない感じ。


単行本で読む価値があるかどうかは・・・だが、実は、本の装丁を鑑賞するのが嫌いではない自分に気が付きました。そういえば、いつも相当つくづく見回して、それぞれに感心していたものです。紐の栞などは、使わないのに、付いていないと物足りない、という面倒な性格であることも判明。


舟を編む  「舟を編む」   光文社  三浦しをん
面白かった。人の能力の違い、というものを考えさせられた。移動していった元編集部員を称えたい。表紙が、“刊行された辞書” の装丁になっているのが洒落ている。ノアの方舟の下をスイーっと泳ぐ蛸に脱力。本体表紙の劇画で場面を当てよう♪


ナミヤ雑貨店の奇蹟  「ナミヤ雑貨店の奇蹟」  角川書店  三浦しをん
まあまあ。経緯は、少々可哀相というか、因果応報の上等の結果というか・・・。本体表紙に、横罫線の図。お手紙。


まほろ駅前番外地  「まほろ駅前番外地」   文藝春秋  三浦しをん
それなり。哀感漂う人間模様。しかし、肯定の風が渡っていく。何時育まれるのだろうか、温かい機転の素。小学生君、また会いましょう。


三浦氏は、ばらばらなようでいて繋がっている、という構成が得意なようす。お子様時代、ホフマン 「牡猫ムルの人生観」 岩波文庫上下 を読み終わって、大変満足したことが懐かしい。ばらばら構成第1号でした。
毎回、若者が追いつけない老人が登場するのがすごい。揺り篭から○○まで、人品は続く。