西王母留守模様

本日の国立能楽堂展示室は、能楽尽し模様の振袖など、婦人もの衣装、掛け帛紗も。


◆その中に、枝のついた桃の実があって、「西王母の留守模様」ですって。おもしろーい!大感激。


東方朔は子供の頃、西王母の桃を失敬して長寿を保ち仙人になったが、武帝には40年仕えただけで、天の歳星(土星)そのものに戻ったそうな。(西部文浄「茶席の禅機画」の神仙の部)

嬢娥 じょうが は、兎が搗いている西王母の不老長寿の薬をお味見して、兎共々月に飛ばされてしまった。嬢娥も桃にすればよかったのに。三千年に一度しか咲かないので、タイミングが合わなかったのかしらん。


◆エブリ
高砂模様の衣装の説明に、「松や帚やエブリ」の模様が特徴的、とあった。「エブリ」とは、なんぞや?


えぶり 【柄振(り)】  goo辞書
(1)土塊を砕いてならしたり、穀物の実などをかき集めたりするのに
   用いる農具。 長い柄の先に横板をつけた鍬(くわ)のようなもの。
(2)能楽の小道具の一。竹の先に板をつけたもので、雪かきの具に
   用いる。


能楽の小道具で、「雪かきの具」とは、またびっくり。
高砂の老翁が持っているのは、熊手なのか、はたまたエブリなのか?
高砂人形の熊手は、能舞台では見たことが無いような…。