伊能美智子作品集CD

ロビーのテーブルに並べられていたCDの中から、
 「歌曲集 小倉百人一首(20曲)…東敦子(Sp) 伊能美智子(P)
  モノ・オペラ マクベス…佐藤征一郎(Bs) 伊能美智子(P)」
をいただきました。
フルート(柳下正明)も聴こえました。
マクベスは、木下順二の訳を、佐藤征一郎さんの依頼により、伊能美智子さんが作曲なさったもので、マクベス、夫人、門番、医師、侍女を一人で歌う?語る?オペラ。
作曲者より 『言葉は歌であり、人の情感でもあると思います。30年でそれを悟りました。』


このCDのケースの絵は、伊能美智子さん作の水彩画、セピア色のイタリア?のクラシックな建物と通りと街灯の景色で、人や生き物のいない、静かな場面。屏風に仕立ててあり、ご自宅にあるそうそうです。ロビーで、CDの近くにいらした伊能氏 談。


で、
百人一首をメロディーで覚えよう♪というようなのとは反対の極致なのでした〜。和歌を詠み上げる伝統的口調が頭のなかで情感や風景になって共感する、それをかなりな音楽的技術によって音の舞台・音の戯曲にした感じ。
百人一首は万葉・古今・新古今の歴史的背景がある種不気味に潜んでいるわけで、また歌合せに勝つ執念たるや相当なものであったようですし、にもかかわらず、和歌は美しい。なまの言葉もさることながら、美しくなってしまった言葉のほうが、ぞっとしてコワイかも。