日本神話と古代国家 

◆「日本神話と古代国家」 直木孝次郎 講談社学術文庫
推古、持統天皇あたりに、祖先を水増しして血統の古さを強調したらしい。古くは兄弟相続の皇位を、父系に脚色。仁徳天皇稜といわれるものが大阪にあるのはなぜか。また「横から見た能狂言」にエピソードがあるように、能「綾鼓」では、九州に皇居があって女御が存在する。能「花筐」は越前から大和に。覇者はあちこちから。
「精霊の王」もそうだが、証明できない歴史物は、例証の繰り返しが多くて読みにくい。正史から消されたことが芸能で語り伝えられているらしいので、お古いお能に触れたことも意味があった感じ。