「木」 白洲正子 平凡社ライブラリー(文庫)
<クスノキ>
「楠」は、日本に無く、「樟」のことだそうです。漢字と、中国名?と日本の品種と違っているものに、結構遭遇する。
「樟・クスノキ」の語源は「奇しき」(くすしき)で、芳香があって、虫除けの樟脳を採ったり、薬に用いたり、霊木として古くからと尊ばれていた。虫や公害に強いので、巨木がたくさん残っているのも奇しき霊木の姿である……
ここで、突如、思い出す。
あの “くすしき” は “奇しき” であったのだ! 子供の頃、学校で習い、適当に解釈しながら長いこと歌っていた。
冬の星座
木枯らし途絶えて さゆる空より
地上に降り敷く くすしき光よ
ものみな憩える じじまの中に
きらめき揺れつつ 星座はめぐる
これと混同してしまうのが、
星の界 (ほしのよ)
月なきみ空に きらめく光
嗚呼その星影 希望のすがた
人智は果て無し 無窮の遠(おち)に
いざその星影 きわめもゆかん
【奇しき】 くしき goo辞書
〔形容詞「奇(く)し」の連体形から〕不思議な。神秘な。くすしき。
例:「奇しき縁(えにし)」