八朔とお祭り

朔は一日。「朔日」は、「ついたち」or「さくじつ」。8月1日は「八朔」だが、「八朔」は陰暦八月朔日。それはいつか? 便宜的に、毎年9月1日に各地でお祭りが行われているようだ。羽黒八朔祭では芸能、山梨県都留市の八朔祭りは大名行列、などなど。
なぜ、八朔はお目出度いのか。
● 古く農家で、新穀の贈答や豊作祈願・予祝などの行事が行われ、のち一般化して、贈答の慣習を生んだ。800年前から行事が続いている地域もある。
● 江戸時代には、徳川家康 江戸入府の日にあたることから、諸大名・旗本は白帷子(しろかたびら)を着て登城し、祝詞を述べた。
また、八朔は嫁や婿の里帰りの日とされていた。農繁期の前の一ときということか。
一方、『八朔の苦餅』(はっさくのにがもち)という言葉があり、お祝にぼた餅を作るのだが、下男下女の夜なべ仕事が始まる日でもあったところから。「八朔の泣き饅頭」「八朔の涙飯」ともいうそうな。
八朔…季語は秋
八朔…陰暦八朔の頃に吹く強い風のこと。二百二十日の1週間程前にあたる。
八朔…ミカンの品種。夏ミカンと温州ミカンの中間の時期に出回る。主産地・広島。