あすか川 もみじ葉ながる葛城の山の秋風吹きぞしぬらし
万葉 詠人不知 ／ 新古今 人磨
月日の流れの速いあすか川ではなく、葛城山の紅葉（黄葉らしい）が流れている飛鳥川は、比喩ばかり追いかけていた身には新鮮だ。
ヤマトに滅ぼされ、それでも生き続ける人々の故郷。物悲しい葛城に、物悲しい神が現れ、もみじの天冠に白い長絹で舞うと、また暗い場所に戻っていく。救われないストーリー。東人は、しんみりと余韻に浸っていたいのに、何と、今や高原ロッジにキャンプ場に、ロープウェイですって。役小角の陰謀か。
いいもん。金春欣三さんの「葛城」の感動を大切に生きてゆくもん。
