上掛・下掛

上掛り・下掛りの言葉の起源を忘れていたところ、また、目にしました。

・・・・・・ 小鼓の流派で、一番古いのは観世流、それから大倉流。それで幸流があとから出てきました。宇治の幸太夫という金春流のシテがおり、それが ・・・・・・ 囃子がよかったということです。それで鼓の幸流にした。 ・・・・・・ 元々初めは「座付き」って言って、囃子の流儀も座になる。大体金春流金剛流と一緒で下掛り しもががり 室町時代に奈良に残った座)なんです。観世流宝生流は要するに上掛り かみががり (奈良を出て京都に行った座)。 ・・・・・・ そういった中で幸流は、京都烏丸五条に胴打ちの折居道本って言う人がおって、後から、元禄から入り込んで座敷芸になったんです。・・・ 屋外ではポ、ポ、ポって当然聞くらしいですね。うちのは座敷芸になってきたからポーンということになっております。座敷とは要するに劇場ですわな。屋内ということ。・・・

能への扉―演者が語る能のこころ 「能への扉」  原田紀子    淡交社
 「いい音を出す醍醐味」 小鼓方 幸流 曽和博朗(そわひろし) の項