帛紗

かなり昔、お茶のお点前に用いる帛紗を、いつも居間に置いておいて、日常の合間合間に捌く手習いをする、とか、同様に茶箱も置いてある、とか、そのような心配をなさらずともよさそうな意外な方から伺ったことがある。今、自分のたどたどしい現実を見て、思い出した。


で、
なぜ、草に捌いたとき、きれいな渦にならなくなってしまったのか、いろいろ試してみた。内側の渦が埋もれがち。正面で二つ折りになる時に、上側が覆いのようになっているのを、下側の向こうの縁がちらっと見える位にほんの少し手前目にすると按配がよさそう。心なしか一文字もすっきり真横に感じられる。


形は、体の衰えで、意識と一致しなくなってしまう。形に添う現在の自分の感覚を、常に確認する必要がありそう。