読書日記「風が強く吹いている」

風が強く吹いている (新潮文庫) 「風が強く吹いている」  三浦しをん  新潮文庫


おもしろかった。箱根駅伝の架空小説。よく出来ている。笑ったり、涙ぐんだり、かなり厚い文庫だが一気に読んだ。大学のネーミングにくすくす。動地堂大学、六道大学、ユーラシア大学、真中大学…。
文中から、人類の肢体の美しい躍動が湧き起こる。
ある大学駅伝の意表をついた始まり。木造古アパート自体が、実はとんでもない世界の入口なのであった。3年も続いた善意の食事係、住人はヘンゼルとグレーテルを思い起すべきであった。首謀者、出来すぎ。
世の監督業従事者も、苦笑か。読むような人物であれば…。
巻末の謝辞に、大○文○大学陸上競技部や、○政大学陸上競技部などが挙げられているのは、、『徹底管理ではない指導、若者をどう伸ばしていくかに腐心して』いる『小規模な』 ところを取材したかったから(解説 最相葉月 より)だそうです。
スポ根の闇で、人生を台無しにされる若者が減りますように。


映画化され、上映中であるらしい。