檜書店 今日のお勧め

国立能楽堂、今日の書店は、檜書店。
おじさまがロビーでにっこり「今日はお勧めがあるんですよ」、ネギをしょって飛び込んできたカモ猫状態。


「能に生きる女たち」   大石登世子  
        平成20年11月11日発行  檜書店 文庫本


出来立てのほやほや。よくある表題なので、え〜?と思った。『装丁がいいでしょ!』…確かに厚手の和風な紙の、切りばめ風に間取りしたオリーブグリーンのところに、秋草の図。でも、開くのが硬くて読みにくい…。ま、著者が「俳人」という所に、何か新視点を期待して…。


怨霊と鎮魂の日本芸能史 「怨霊と鎮魂の 日本芸能史」 井沢元彦  檜書店
これまた、よくある表題…。
本文は歴史的推移をずっと述べているが、最後に、鎮魂する側が藤原氏で、される側が、紀氏であったり、道真であったりで、慰撫する方法即ち歴史の表にあらわれていること、というのがおもしろかった。六歌仙と称えられながら、そのうち2人はたいした歌人ではないのはなぜか。古今集の序でけなされているのも、能「草紙洗」で悪役なのも、そこに根があるのかもしれない。
「面」を使用することと、悪霊との関係が、分かりやすかった。