「京都紫式部のまち」 

「京都紫式部のまち その生涯と源氏物語」  坂井輝久  淡交社


今日は、檜書店。
紫式部の父方、母方双方の家系から始まって、家族の消息、宮仕えの周囲の人々とその家系など、縦と横に彩(綾?)なす人間関係に詳しい。紫式部の生涯と源氏に結びつくゆかりの地には、簡略な地図がついていて、わかりやすい。
「散華・紫式部の生涯」( 杉本苑子 中公文庫)とも守備範囲が違う。
紫式部が定子を慕って、物語の藤壺におもかげを映したとは、知らなかった。また、桜を受け取る役目を譲った伊勢の「けふ九重ににほひぬるかな」に、彰子の代作として返歌したことも。まだ紫式部日記そのものを読んでいないけれど、屈折しすぎで意地も悪いということで、敬遠。
あってもなくてもよい写真集とは違い、内容が工夫されていて、お役立ちの本だ。