観能:嵐山 & 猿聟

国立能楽堂普及公演
金剛流 能 「嵐山」(白頭)のアイに、間狂言 大蔵流 「猿聟」(替間)


面白かった。
関西のワキの方の登場は個性的で、しばし呆然としてしまう。今日は勅使(飯冨雅介)ご一行。
老人(松野恭憲)は頬がぴかりとする金色?でびっくり。赤銅いろの髪も、姥(工藤寛)の白黒半ばの髪もつやつや、桜の木の向こうで老人は少し角ばって、姥は柔らかく、風情よかった。木守神(豊嶋晃嗣)も勝手神(豊嶋幸洋)も姿良く、勝手神の落ち着いた小豆色の長絹と瓔珞がふわふわゆらゆら素敵、相舞?の天女の舞(中之舞)よかった。蔵王権現の黒い不動の面は、表情が分かりにくいが、いつもと全く違うインパクト。袖を巻く気流で白頭の前髪がそよぐのが面白かった。
猿の聟(大蔵千太郎)の若くて活きのいい感じが清々しく、姫猿の子方(大蔵綾乃)が可愛らしかった。お猿にも太郎冠者がいるのが笑えるが、何にでも主従関係があってシビアだ。猿語の会話で、言葉は抑揚や強弱など気持ちの表わし方が大切ということが良く分かった。聟の頭の紅白の巨大こより?と後側の長方形の錦の裂が歌舞伎の奴?悪役?と同じようで興味深い。
老人と姥の桜の中の静かなたたずまいと、桜の山のお猿の宴と、桜の山の神々の舞と、どれも装束の雰囲気と姿のよい舞台でした。