天地人之会

能「望月」
  小沢刑部・工藤寛  望月秋長・村山弘  秋長の供・野村萬斎
  友春の妻・元吉正巳  友春の遺児・山根あおい


お獅子、面白かった。パイプオルガンのパイプのような、鍵盤のような出っ張りは、正倉院裂の「獅噛文」と意味するところは同じかな?子方の羯鼓の舞もよかった。速いテンポをお囃子が盛り上げていた。
お獅子が袖を引っ張って広げるところ、お囃子も気持ちよさそうで愉快。たてがみを振ったり、激しく膝をついたり、小沢の刑部、「未経験ながら、ちょっと支度を」と退出した割には、本格的に凝った準備と芸で驚き。
三浦裕子氏の解説にあったが、中世、良い芸能は眠くなるというのが良い評価だそうで、それは油断ではなく、心が解放されるかららしい。で、秋長さんも“油断でない”のをして討たれてしまいました。「笠」とはいえ、ぶすっぶすっと何回ものダメ押しに、え゛〜という感じ。お供の加勢はありませんでした。


三浦氏によると、日本最後の仇討は明治13年で、報復の連鎖がそこまで続いたのだとか。秋長の子孫がまた仇討をすると、江戸中期くらいの設定で後日談ができそう?友春系は置いておいて、望月子孫 VS 小沢子孫 の対決に変貌か。