国立能楽堂定例公演

7日(水)午後1時開演。時間にびっくり、大勢の方にびっくり。


狂言「右流左止」 (うるさし)
    塩飽藤蔵:井上菊次郎  茶屋:佐藤友彦

能 「草紙洗」 (そうしあらい)
    シテ・小町:金剛永謹  子方・帝:原 陸

    ツレ・貫之:今井清隆
    立衆・朝臣:豊島幸洋 宇高竜成 官女:豊島晃嗣 工藤寛

    ワキ・黒主:野口淳弘  アイ・黒主従者:井上靖浩

    大:石井喜彦  小:鵜澤速雄  笛:一噌幸弘

文化的な狂言でした。久々の佐藤友彦さん、うるさい結婚はしない教養うるさ型婦人でした。「武蔵鐙…うるさし」というのが伊勢物語にあるのは知らなかった。中ほどがへこんでいる景色と鼓と道真と悲劇のうるさし左遷と、どんどん繋がっていくのに感心した。創作者はどんな人物なのだろうか。


草紙洗は、「飛び出す絵本」の舞台が面白かった。謡本のページがカラフルに立体的に現れて愉快。黒主が聞き耳をたてているのも絵になっていて、従者との会話もわかった。小町と黒主が装束を改めて再登場する、小町邸から禁中への場面転換が珍しく、成程と納得。道真の歌合の進行役の様子も実感できた。


今日は狂言とお能が、歌つながり、登場人物つながりの長丁場で少し疲れた。謡に歌が散りばめられているのと、歌自体が詠まれるのと、緊張度が違うにゃん。歌合にきらびやかに現れた道真は、鼓の道真の回顧談のようにも思える。


国立能楽堂、なんというか、これでもかという教養てんこ盛りより、お楽しみ番組にして欲しい気がする…。プログラムの特集記事や展示室で十分教育されているので、ご安心下さい。