印税貢献 …駆込女

*『東慶寺と駆込女』 井上禅定 有隣新書
松岡山(しょうこうざん)東慶総持禅寺。俗称、松ヶ岡。開山は、北条時宗夫人・潮音院殿覚山志道尼。時宗と揃って、生前、無学祖元について出家。安達義景娘。
5代目・用堂尼は、後醍醐天皇皇女、護良親王の姉。以後、「鎌倉御所」「松ヶ岡御所」と呼ばれるようになる。紫衣着用。
17世・旭山尼は、足利義明息女。20世・天秀法泰尼は、豊臣秀頼娘。
明治35年、大慶寺より古川堯道老師が住職となり、男僧第一世となる。男僧第二世・釈宗演は、有名な傑僧。漱石、大拙などが参禅。著者は四世。
江戸時代に書かれた東慶寺の由緒書きに、「開山以来の駆込寺であった。」とあり、各時代にその寺法が、東慶寺の努力によって施政者から安堵されてきた。明治になり、寺領が取り上げられ、法律の制定で寺法も無効となり、尼寺としての歴史も終わり、今に至っている、そうです。