月下美人

昨夜10時頃、いつもしーんとしている道の先に人影が2〜3、4〜5。月下美人ですよ、とお誘いをうけ、一夜花の鑑賞に。
お庭の一角に、背丈ほどもある大きな株立ちの植物。サボテンを薄くしたような葉と、白い蓮のようなお花が幾つも。南国の羽衣という感じ。辺りには、姿からは想像も出来ない艶な香りが漂い、猪八戒沙悟浄が荒地に突然美人が…と騙されそう。
こんなに野放しっぽくていいのかしらと驚くと、元々メキシコ原産で、冬だけ保護すればあとは自然体でOK、なのだそうです。
花の中に更に別な花でもあるかのような、しべワールド。特徴的。
お花は、お料理して味わったり、浴槽に浮かべたり、いろいろ楽しみ方があるとか。蕾の形にふと、昔あった泰山木を思い出し懐かしくなりました。花が終った後、ぽてぽてと落ちているマイクのような実に似ている。
せっかくなので、家族を呼びに帰り、撮影を任せました。
月下美人、「流れよる椰子の実」の如き異郷の夢、一夜。


と、余韻もあらばこそ、印刷した画像のお返しに「川中島の桃」を頂き、わらしべ長者の気分。羽衣が西王母になるも、またよき哉。



メキシコ熱帯雨林の原産で、もう現地には少なく、ハワイなどには移されて群生しているところがあるらしい。夜咲くのは、花粉の運搬を蝙蝠に頼んだ名残だそうです。濃厚な香りも夜のジャングルで目立つため。
月下美人さんが、日本のお庭のかんかん照りの一角で、ジャングルのお暮らしを続けていらしたとは…。