善知鳥 うとう

今、お謡は「善知鳥」をお稽古中。スムーズでない詞と節。
この、能「善知鳥」も、中央にまつろわぬ氏族の敗北哀傷譚らしい。熊襲、土蜘蛛,and you 善知鳥!?具体的には、蝦夷


「能 中世からの響き 松岡心平 角川叢書」によると、『うとうやすかた』は選別の合図で、過去の記憶を基に中世に形づけられた「異族狩り神話」である。また、母鳥の鳴きまねをして「うとう、うとう」と呼び、「やすかた」と答える幼鳥を捕獲するのは、女装した日本武尊熊襲退治と同様の騙し討ちである。


前シテ猟師が腰に巻いている羽蓑も暗示的で、北方シャーマンが羽の衣をまとい、蝦夷人が羽の首飾りをする記録がある。「狭布の細布」(けふのほそぬの?)は鳥の羽で織った蝦夷特有の布であるらしい。鶴の「つう」も蝦夷人であったか?


「外の浜」(青森の北方)が蝦夷との境になったのは、頼朝が奥州藤原氏を滅ぼして中央権力が北まで及んでから。


常陸国風土記の「山の佐伯、野の佐伯」の「佐伯」は朝廷の命令をサヘ(遮塞)抗する土着民で、蝦夷の異称であるそうな。
空海は四国の佐伯氏であるが、これも、関係あるのだろうか。