能装束めぐり

ザ・がんばるニャン、予定をこなす!
◆ 能「野宮」
静か〜なお能でした。笛の、秋風に途切れるような、まぎれるような音色に、今日のコンセプトはこれか、と予感。 前場の里女が去っていくところ、笛に送られてしーんと、音が途切れると姿もかき消えて・・・という絶妙タイミング。 後場の小書の車は、舞台脇正面寄りに出され、壊されない姿の車で御息所は美しく現れた感じ。 車の後ろから現れるとき、車の影で、その翳が面や長絹の上を移るのがいい景色でした。 
ワキの「定住しないで旅をする僧」という自己紹介が印象的で、その言葉のしんみりした響きに、物語の奥行きが広がる感じ。宝生欣哉さんはますます閑さんのようで、お顔を確かめてしまった。


◆ 国立能楽堂 展示室
歴史をおびた能装束、唐衣がなかなかおもしろく、面もよかった。 説明によると、面の裏に、所有者の名前や、極めや、作と、それを消したり、書き直したり、いろいろドラマがあるようで、歳々年々人同じからず、「もの」の年齢の年月のスパンが違うと、つくづく思った。


◆ 日本橋三越 三井家伝来能装束展
さすが〜明治の能楽パトロン展示。
まあ、糸の色の鮮やかなこと、華やかなこと。昨日作ったような。豪勢な刺繍に、唐織の文様の盛り上がりの高さがすごい。プログラムの写真では、ぴかぴかのつるつる。


★「紅地毘沙門亀甲鳳凰丸獅子模様厚板」…石橋を渡って若いお獅子のワードローブを覗きに行ったよう。金猫流にふさわしい!? ★「紅地青海波波丸模様厚板」…ざ・猩々。 ★「納戸地龍雲模様側次」…愛嬌ある龍。相良刺繍?のぷちぷちでぎっしり盛り上がっている。ぷちぷち何万個あるのだろうか。 ★「刺繍七賢人模様厚板唐織」…地まで刺繍、後ろの裾のお獅子は、賢人が重くて潰れているような後ろ足。写真でよくよく見ると、竹林の賢人が龍をおさえているのか?そこから煙か雲か立ち上り、その延長に?怪物が生じ、お酒の瓢箪を見ている、ような感じ。小さな西域風人物がたくさんいるのは妖精か精霊なのかしらん。摩訶不思議な緻密な大作。 七人目、右肩の後ろに発見!カタログあってよかった。 ★「黒地龍波剣山模様側次」…お花の剣山が?…剣のように険しく立つ山でした。剣山てほんとにあるのだにゃと感心。剣山のような剣山なわけなのだ。 ★「白地よれ法被」…ハッピにもよれ衣があるのかと感心。


それから長〜く会場前ショップにいました。 能絵版画の短冊、クリアファイルなどなどげっと。 和模様で中身が見えない程のクリアなファイルでっす。