印税貢献 日本語の美  

「日本語の美」 ドナルト・キーン 中公文庫


キーンのは「能 文楽 歌舞伎」でおなかいっぱいになったので、今さらと思いつつ、やはり、手にしてしまった。なんとなく、幕末外交官アーネスト・サトウのような感覚でいたが、1922〜ご生存中…。
小刻みな内容を合わせた本は、おつむに落ち着かないけれど、「日本語の美」は、目次のイメージよりもっと、こんな風に日本語・日本文化・歴史を経験したのか、と面白い。もれなくオチがついています。いろいろな自著の背景がうかがえるのも一興。室町時代に触れた歴史ものがあるそうなので、次の機会に。


朝日新聞に連載された「百代の過客」も面白そう
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0501.html
『 キーンさんは、戦時中に戦場に遺棄された兵士のノートを翻訳する仕事についていたころ、日本人の兵士の日記とアメリカ人の兵士の日記に著しいちがいがあることに気がついた。
 日本人がつねに状況よりも内面を吐露しているのに対して、アメリカ人は状況メモとメッセージが多い。そのうち日本の古典的日記を読むようになって、世界中でこれほど日記に内実を賭けている民族はいないのではないか、ここには何か日本の秘密があると確信するようになった。 』(松岡正剛)