比翼連理と摺鉢

前回、三絃の「摺鉢・れん木・せつかい」という楽譜をいただいた。にゃーんか、にゃんともいえない曲名と、複雑な心境。
で、「摺鉢」を少々練習。
『比翼連理』『賤の女』など、歌にびっくり。比翼連理といえば、玄宗皇帝か楊貴妃か、という言葉を、賤の女が歌うのね。摺鉢は比喩か象徴。
「れん木」には、『比翼れん木』『足なら摺り子木八瀬の里』としゃれ、
「せっかい」で、『身をすり鉢の谷間に住まひ 広いやせかいせもなき』と終わる。


ちなみに、作曲…油屋茂作  作詞…京都の里石 !!
お稽古しているのがばけねこ系なので、丁度いいかも。


『せっかい』とは何ぞや?
せっかい ―かひ  【狭匙/切匙】 <goo国語辞典>
すりばちの内側などについたものをかき落とすのに使う具。飯しゃもじを縦に半分に切ったような形のもの。[日葡]
――で腹(はら)を切る
〔木製の切匙で腹を切る意〕不可能なたとえ。擂粉木(すりこぎ)で腹を切る。


歌の最後は未解読。??状態。 でも、おもしろーい!
『せもなき』とは、背の君もなく、と、“せっかい”という器具が半分の形状らしいので、後半分の背がない、とを掛けているのでしょうか。
『広いやせかい』…?「ひろいや」とおどけた言い方と、前の歌詞の「八瀬」に掛け、「せかい」→「せっかい」に掛けたのか。江戸時代?に「世界」という用語はあったのかなあ。
八瀬は京都大原の近く、八瀬童子の棲まう里で、天皇の乗り物の輿を運ぶ「駕輿丁」(かよちょう)のお仕事、独特の鎖国的文化圏とか。古代の民族闘争の名残か、オニとか山賊にならないで生き残った人々なのかも。とにかく『足』につながり、輿が揺れないよう摺り足で運んだとも考えられる。また、すりこ木にする山椒の木の産地なのかもしれない。
連木(れんぎ)=擂粉木(すりこぎ)